月夜の砂漠に紅葉ひとひらⅡ【完】
私はゴクンと息を飲んだ。

「砂漠の国が危ないの。」

「砂漠の国?」

「追放されたザーヒルが、ネシャートさんを人質に取って国を乗っ取ろうとしているの!王様達の軍は、苦戦を強いられていて……」

「何!?」

ジャラールさんは、数歩後ろへ下がった。

「なぜ俺に、一早く知らせなかったんだ!」

「すぐにジャラールさんへ伝えようと、側近の人が向かったんだけど……ナディアさんの話では、その人も途中でザーヒルの兵士に殺されたんじゃないかって!」

「クソッ!」

ジャラールさんは地面を蹴りあげると、木の側へと走っていった。

「ハーキム!ハーキム‼」

「はい!」

寝床の準備をしていたハーキムさんが、顔を出した。

「ザーヒルが反乱を起こした。ネシャートが囚われている!」

「ネシャート王女が?」

「すぐに帰って父君様に応援の軍を要請する!」

そう言ったジャラールさんは、すぐに駱駝へ飛び乗った。

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