月夜の砂漠に紅葉ひとひらⅡ【完】
ドキッとした。

ジャラールさんの口から、そんな言葉が!


「クレハを妻に迎えるおつもりですか?」

「いや……」

一気にへこむ。

「……クレハは、この砂漠の国の者ではないんだ。いつか自分の国へ帰らなければならないのは、知っているんだ。以前、クレハが自分の国へ帰った時に、クレハへの想いは立ち切ったはずなんだ。」

「ジャラール様、もしかしてクレハを?」

「笑えるだろう、ハーキム。初めてクレハと会ったこの砂漠で、偶然にも再会して。正直神に感謝した。もしかしたら、もう一度チャンスをくれたのではないかと。」


胸が苦しくなる。

今起き上がって、言ってしまいたい。

私はずっと、ジャラールさんの事を忘れられなかった。

今すぐにでも、ジャラールさんの胸の中に、飛び込みたいって。


「だが、ハーキムも同じ考えなのだろう。」

いいいいいい?

いやいや、あり得ないし。

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