月夜の砂漠に紅葉ひとひらⅡ【完】
私は人差し指を口の前で、左右に振った。

「チチチチチッ!それが違うんだな。」

「何よ何よ。面白い展開?」

ときわが起き上がった。

「実はラナーのご両親が、犯人に誘拐されて、地下牢に入れられていたの。それをハーキムさんが、みんなの前にご両親を連れて来たのよ‼」

「うっそ!じゃあ、ラナーちゃんは、その犯人に脅されてたの!?」

そのままの勢いで、今度はときわが立ち上がった。

「そうなの!ラナーは両親の命を救う為に、主人を裏切らなきゃならなかったの!」

私も一緒に立ち上がった。

「くわ~!それなのに自分の罪を認めるなんて。ラナーちゃん、なんて健気なの‼」

「でしょう?すごいでしょう?ラナーは‼」

私とときわで、はぁはぁ言っている。


「それにしてもラナーちゃんは、なんで自分がやったなんて言えたのかな。そうすれば罪が軽くなんの?」

光清の質問に、私は腕を組んだ。

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