月夜の砂漠に紅葉ひとひらⅡ【完】
「ああ、緑の宝石を取りに行ったオアシスか?」

「あそこは、もう過ぎた?」

ジャラールさんは、ちらっと私を見た。

「……行きたいのか?」

「うん。」

「そうか。実はあそこは今いる場所から遠いのだ。」

「え?」

「オアシスは砂漠の南の方向にある。だが今向かっているサマド王の国は、西の方向だ。」

「そう……」

方向が違うんじゃあ、立ち寄るのは無理ね。

それに今は、一刻も早くサマド王の宮殿に辿り着いて、援軍を頼まないとね。


「クレハ、見えるか?あれがサマド王の宮殿だ。」

ジャラールさんに言われた方向を見ると、まだ薄暗い中に大きな建物が見えた。

砂漠の国とは違う。

威圧的な冷たい感じの宮殿。

「珍しいだろう。サマド王の宮殿は銀でできているのだ。」

「銀?」

銀でできた宮殿って、そんな珍しいのかな。

そう言えば昔のピラミッドとか、なんとか文明ってやたら金色ばかりだったような。

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