月夜の砂漠に紅葉ひとひらⅡ【完】
宮殿がもっと近づいて、門の前に辿り着いた。

「開門!」

門の前に立っている門番が、身構える。

もうじき門に当たりそうになると言うのに、門はまだ開いていない。

ジャラールさんとハーキムさんは、門の前で止まった。


「サマド王、第2王子のジャラールである!」

ジャラールさんがそう叫ぶと、門番は顔を見合わせた。

「直ちに門を開けよ!」

すると門番は、ギーッと門を開けた。

その中を、ジャラールさんとハーキムさんが通り過ぎる。

右に反れ、広い庭の中に辿り着いた。

「ここが私の住まいだ。」

ジャラールさんはそう言うと、私を駱駝から下ろしてくれた。

一緒に駱駝から降りたハーキムさんが、近くにいた家臣に駆け寄る。

「急いでサマド王に謁見を申し入れたい。」

「畏まりました。」

家臣は奥の方へ走り去った。

「クレハ、ここで待っていてくれ。」

「ううん、私も付いていく!」

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