月夜の砂漠に紅葉ひとひらⅡ【完】
それがサマド王の第一印象だった。

私は一番奥の柱の奥に隠れた。

「どうした?ジャラール王子。」

「父上、実は……」

相手は受け入れてくれるか、私は息を止めた。

「ヘイダル王の国で、家臣の反乱が起こっております。私の婚約者は、その反乱軍に捉えられました。直ちに助けに行きたいのです。つきましては、父君に援軍頼みたいのです。」

「なんと!ヘイダル王の国が!」

周りはざわつく。

「お願いです!ヘイダル王の国は、私の育った国。最愛の婚約者も捉えられました。直ちに救いに行きたいのです!どうか!どうか‼援軍をお使わし下さい!」

ジャラールさんは、何度も頭を下げる。

「解った。そなたの言う事なれば、我が軍を使わそう。」

「ありがとうございます!父君!」

ジャラールさんが、深く頭を下げた時だ。

「父上!甘すぎます!」

サマド王の側から、若い人が出てきた。

「これが罠であれば、いかがなさるおつもりか。」

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