月夜の砂漠に紅葉ひとひらⅡ【完】
「クレハ!」

ジャラールさんもハーキムさんも、私の出番に面食らっている。

「どうして出てきた!」

ハーキムさんが、私の腕を掴む。

「このままじゃ、疑われるでしょう?」

「クレハは出てきたら、もっと疑わしだろう!」

「はあ?」

ハーキムさんの言葉に、耳を疑う。


「いいだろう。オアシスの精霊の使い?証拠は?」

「これです!」

私はポケットから、碧のペンダントを取り出した。

周りはおおっと、声を出して反応している。

「見せてみよ。」

ジャラールさんが兄君と言った人が、私の側に寄ってくる。

「クレハと申す者よ。そのペンダント、拝借してもよいかな。」

「どうぞ。」

私はその近づいてきた人に、ペンダントを渡した。


その人はペンダントを受け取った途端、私をじっと見てくる。

「はい?」

「いや。この辺では見かけぬ者だな。」

さすが。

鋭い。

「精霊の使いの者ですから。」

< 135 / 354 >

この作品をシェア

pagetop