月夜の砂漠に紅葉ひとひらⅡ【完】
「有り難く存じます。」

ジャラールさんは、その人にも頭を下げた。

「そうだ。そのクレハと申す女だが……」

「えっ?私?」

ヘサーム王子は、ゆっくりと私の元へ近づく。

「その者も、ヘイダル王の国へ連れて行くのか?」

「ええ。そのつもりです。」

ジャラールさんは、私を自分の背中へと隠した。

「見たところ、普通の女性のようだが……足手まといにはならないか?」


足手まとい。

その言葉が、私に重くのし掛かる。

遊びに行くんじゃない。

救いに行くという事は、もしかしたら敵と戦う時だって、あるかもしれない。

そんな時、私はジャラールさんの力になれるんだろうか。


「いいえ。クレハは足手まとい等ではありません。我々を救う女神ですから。」

め、女神!?

どうしよう。

自分で吹きそうになる。

ふとハーキムさんを見ると、下を向きながら笑いを堪えているし。

「女神……ですか?」

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