月夜の砂漠に紅葉ひとひらⅡ【完】
「ちょっと、黙って聞いてれば!」

私はジャラールさんの後ろから、一歩前に出る。

「止めろ、クレハ!」

右手をハーキムさん、左手をジャラールさんに止められる。

「あなた、王子のくせに人の気持ちがわからないの!?よくそんなので、未来の王様とか言えるわね!」

「なに?」

「大体、私はまだ17歳よ?ジャラールさんのお母さんの国が滅んだ時に、生きてるわけないでしょ!」

思いきり大きな声で叫んだせいか、呼吸する時にハァハァ言っている。

「ふう~ん。」

「何よ。」

「面白い女だな。」

ヘサーム王子の口許が、少しだけ上がった。

「ハーキム。クレハを部屋に連れて行け。」

「畏まりました。」

ハーキムさんが、私の手を引く。

ジャラールさんが私の前に来て、ヘサーム王子に頭を下げた。

「ヘサーム王子。すみませんでした。どうか私に免じてお許し下さい。」

「いいだろう。」

ヘサーム王子は、あっさり受け入れた。

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