月夜の砂漠に紅葉ひとひらⅡ【完】
「そのはずだったのだがな。」

「えっ?」

否定しないって、どれだけ自信家なの!

「なぜこのような女を気に入ったのか、分からないものだ。」

「はい?」

「何でもない!こっちの話だ。」

頭が真っ白になる。

「こっちの……話?」


ジャラールさんがそう言えば、ハーキムさんは私を気に入っているって、言ってたっけ。

「あっ、いや。違うんだ。その……」

またまた気まずい雰囲気。

その時だった。

「もうすぐヘイダル王の国へ、援軍が出発するぞ!」

宮殿の中に知らせが回った。

「遅れないように行こう!」

「うん!」

私とハーキムさんは、急いで外へと向かった。

すると宮殿の外では、着々と駱駝や武具の準備が進んでいた。


「ジャラール様!」

ハーキムさんは門に近い場所に、ジャラールさんの姿を見つけて、駆け寄った。

「これだけの兵士がいれば、ザーヒルの軍等直ぐに蹴散らせるでしょう。」

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