月夜の砂漠に紅葉ひとひらⅡ【完】
「すみません。何も知らなくて。」

ホント、私ってお子さま。

「いや。分かってくれればいいのだ。」

そっとハーキムさんの手が、私の頬に触れる。

「ハーキム……さん?」

私が名前を呼ぶと、ハーキムさんは我にかえって手をひっこめた。

「あの……」

今のなに?

聞こうとしたら、ハーキムさんは背中を向けてしまった。

「明日も早い。寝過ごすなよ。」

「……はい。」

私が返事をすると、ハーキムさんは自分の部屋へと歩き始めた。


「ハーキムさん!」

「ん?」

振り返ったハーキムさんの顔が、また穏やかで。

益々分からなくなる。

「その……女の人と一緒に寝るって、そんなに戦う意識を薄めるものなんですか?」

するとハーキムさんは、目を丸くしている。

もしかして私、質問間違えた?

「いや。すみません。私まだお子さまなんで。逆に頑張ろうって思えないのかなって。」

< 150 / 354 >

この作品をシェア

pagetop