月夜の砂漠に紅葉ひとひらⅡ【完】
「ムクククッ!」

うわっ!

笑われた!

「ヘサーム王子がクレハを面白い女と言っていたが、その意味がわかった。」

「あっ、そうですか。」

「ハハハッ!」

また笑ってるし!

「もう!笑ってばっかり。私、もう行きますからね。」

何がツボだったのか、ウケているハーキムさんを置いて、私は案内された部屋へ向かった。

「ああ、そうだ。」

「はい?」

「さっきの質問の答えなんだが。」

律儀にハーキムさんは、考えている振りをしている。

「クレハの言う通り、この人の為に頑張ってみようと思う事もある。」

「はあ。」

「だが、それ以上に。この人と過ごす幸せな時間が、果てしなく続くようにとも願う。それは何気ない日常であれば必要な感情だが、戦いに行く前日ではこれから起こるであろう悲惨な出来事から、逃げ出したくなる事もある。」

私は、ゆっくりと何度も頷いた。

「クレハの納得いく答えに、少しはなったかな。」

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