月夜の砂漠に紅葉ひとひらⅡ【完】
「ところでクレハ一人か?ジャラール王子は?」

「あっ、先に広場へ行きました。」

「そうか。」

そう言うとへサーム王子は、広場へと歩き出した。

私も一緒に付いて行く。


広場へ出た時には、既に武装した兵士で、辺りは埋め尽くされていた。

「ジャラール王子。」

「おはようございます、ヘサーム王子。」

頭を下げたジャラールさんは、ヘサーム王子の後ろに私の姿を見つけた。

「クレハ!そこにいたのか!」

「ごめんなさい。なんか見失っちゃって。」

するとジャラールさんは、私をヘサーム王子から離すように、腕を引っ張った。

「まだ出発する前だからよかったものを。外に出たら、私から離れてならん。」

「はい、すみません……」

怒られているのに、全然悲しくない。

ジャラールさんの吸い込まれそうな瞳が、優しく私を見つめているんだもん。

「朝から仲がよろしいな。」

ヘサーム王子が、私達を見ている。

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