月夜の砂漠に紅葉ひとひらⅡ【完】
「オアシスの近くには、昔宮殿だった跡地もあります。大軍を休ませ、作戦を練るには丁度よい場所のはずです。」

決まった。

これで、絶対今夜はあの宮殿の跡で休める。

「それはいいが、宮殿の跡地からオアシスは、少し距離があるぞ。」

ジャラールさんが余計な事を、いや、私を心配して言ってくれた。

「オアシスへは私一人で参ります。心配いりません。用が済めば私も宮殿の跡地へ向かいます。夜までの間には、戻れるでしょう。」

ただオアシスがどうなっているか、見に行くだけだもん。

それに、砂漠の夜は危ない。

いくら水辺だって、そんなところで野宿はいや。

「私がクレハの供をしましょう。」

ハーキムさんが、名乗り出た。

「だが戦略を練るには、ハーキムも必要だ。」

「しかし、いくら精霊の使いであっても、クレハ一人で行かせるわけには……」

えっ。

ちょっと待って。

私の事で、もしかして揉めてる?

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