月夜の砂漠に紅葉ひとひらⅡ【完】
「私を連れて行って下さい。」

タンナーズさんが、口を開いた。

「私であれば、クレハさんのお供ができます。」

「いや、そなたには……」

もちろん、ヘサーム王子は困惑。

「どうか。私も何かお役に立ちたいのです。」

「タンナーズ……」

珍しく、ジャラールさんもハーキムさんも、口を出さない。


するとそこへ、一人の女性が現れた。

「我が儘を言うものではありませんよ、タンナーズ。」

「モニーレム様。」

タンナーズさんが頭を下げる。

「旦那様。お見送りに参りました。」

「ああ、ありがとう。」

そう言うと、ヘサーム王子は早々に駱駝へ乗った。

それに続いてジャラールさんが、ハーキムさんも私と一緒に駱駝へ乗った。

ちらっと見たタンナーズさんは、俯いて悲しそうな目をしている。

「気にするな、クレハ。タンナーズ様を連れて行くなどできぬことだ。」

「どうして?」

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