月夜の砂漠に紅葉ひとひらⅡ【完】
ハーキムさんはまた後ろから、大きな声を出している。

「ハーキムさんは、ジャラールさんと一緒に、ネシャートさん達を助ける方法を考えないといけないでしょう?」

これには、さすがのハーキムさんも、言い返せない。

「お願いします、ヘサーム王子。」

ヘサーム王子は、一度私が乗るハーキムさんの駱駝を一周した。

「……タンナーズ、来い。」

「ヘサーム様!」

タンナーズさんは、嬉しそうにヘサーム王子の駱駝へ駆け寄る。

「タンナーズ。」

その時、モニーレムさんが怖い顔で、タンナーズさんの側へ来た。

「モニーレム様……」

「くれぐれも、旦那様の足手まといにならぬように。」

「……はい。肝に命じます。」

「それと……」

そう言うとモニーレムさんは、懐から短剣を取り出した。

「何かあれば、これをお使いなさい。」

「モニーレム様!」

「必ず……生きて帰るのですよ。」

「はい!」

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