月夜の砂漠に紅葉ひとひらⅡ【完】
返事をしたタンナーズさんは、ヘサーム王子と同じ駱駝へ乗せてもらった。

「タンナーズさん、よろしく。」

「こちらこそ。クレハ様。」

「あはっ!クレハ様だなんてむず痒い。クレハって呼んで。」

私はすっかり、タンナーズさんとお友達気分。

「ゴホンッ!」

おかげでまた背中に、ハーキムさんの鋭い視線が突き刺さる。


「では、出発‼」

ヘサーム王子とジャラールさんを先頭に、援軍は動き出した。

私達はジャラールさんの後ろに付く。

その隣には、ヘサーム王子とその背中に張り付くタンナーズさんがいる。

「ハーキムさん。タンナーズさんは、後ろに乗ってヘサーム王子にしがみついているんだね。私はハーキムさんの前に乗っているのに。」

恋人だったら、ヘサーム王子の前に乗って、ずっと顔を見合わせるものだと思ってた。

「おいおい。ヘサーム王子は軍の指揮官だぞ?女を前に乗せて、イチャイチャしながら軍を進められるか?」

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