月夜の砂漠に紅葉ひとひらⅡ【完】
「そっか……」

そう言えば、本当は私もジャラールさんの駱駝に乗りたかったけれど、乗せてもらえなかったもんね。

「それに前に乗せるのは、結構視界が悪いし、あまりスピードは出ないし……」

ハーキムさん。

それは遠回しに、私が邪魔だと仰りたいんですか?

「ハーキムさん。私、後ろへ乗りましょうか?」

「冗談。クレハが後ろへ乗ったら、いつの間にか砂漠に消えている。」

「えっ?私、そんな柔な身体じゃないです!」

「ああ~うるさい!遊びに行くんじゃないんだぞ!」


すると私とハーキムさんのやり取りを聞いていたタンナーズさんが、クスクス笑いだした。

「お二人は仲がよろしいんですね。恋人同士なのですか?」

「いえ!違います!」

思いっきり否定。

私の相手は、ジャラールさんだもん!

ちらっとジャラールさんを見ると、その本人と目が合った。

しかも周りに私と目を合わせている事がバレないように、静かに微笑んですぐ前を向いた。

< 165 / 354 >

この作品をシェア

pagetop