月夜の砂漠に紅葉ひとひらⅡ【完】
「だが堂々としていろ。俯いていては、後ろの兵士に『この人の判断は間違っていたのではないか』という疑問を抱かせる。それでは、この強い日差しの中、宮殿の跡地まで辿り着けない。」

「ハーキムさん。」

「オアシスに行くのは、何か目的があるのだろう?俺はクレハを信じている。」


私はハーキムさんの言葉に、勇気を貰った。

そうだ。

この碧のペンダントが、オアシスの精霊と繋がっているんだったら、消えかっている輝きは何を意味するのか、私は知るべきだ。

だって、私をこの砂漠の国へ呼んだのは、紛れもなくあのオアシスの精霊だもん。

もし精霊の力が消えかかっているのであれば、私は二度とこの世界に来る事はできない。

ジャラールさんに会う事はできない。

私は頭を左右に振った。


そんなの嫌だ!


「また余計な事を考えていたのか?」

私のすぐ後ろにいる為か、私の行動はハーキムさんに筒抜け。

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