月夜の砂漠に紅葉ひとひらⅡ【完】
「ハーキム。それ以上クレハと仲良くすると、二人が口をきく事を禁止するぞ。」

「えっ?ジャラール様?」

「はははっ!」

笑いながらジャラールさんは、ヘサーム王子の隣へと戻っていった。

そんな事を言われた私とハーキムさんは、唖然としている。

まさか、ジャラールさんがやきもち妬くなんて。


「それは困るな。」

「えっ‼」

いや、私にはジャラールさんという人がいるわけで、ハーキムさんの気持ちには、応えられな……

「何かあった時に、クレハに忠告できなくなる。それだけは避けねば。」

「あっ、そう‼」

ったく!

なんでこの人は、父親みたいにグチグチ言ってくるかな!


「よし、クレハ。これからはお互い、他の者に聞こえぬように、会話をしよう。」

私は面食らった。

てっきり、しばらく話すのは止めようとか言い出すと思ったのに。

「分かりました。」

私は取り合えず返事をした。

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