月夜の砂漠に紅葉ひとひらⅡ【完】
何時間かして、太陽が高く登ってきた。

さすがに出発した当時の速さは、保てたくなってきている。

「クレハ、大丈夫か?」

「なんとか……」

暑い。

目の前がクラクラする。

「クレハ、水を飲め。」

ハーキムさんが、水筒を差し出す。

「さっきも飲んだし。」

つい2、3分前、私は同じ水筒の水を飲んでいた。

「何度飲んでもいいのだ。飲め、クレハ。」

ハーキムさんに勧められ、また水筒の水を飲む。

なんだか生き返る。

クラクラしていたのも、少し治まったし。

「この日差しだ。ショールをしていても、身体の水分は容赦なく奪われる。その証拠に、何度水を飲んでも、用を足す気にはなれないだろう。」

「ホントだ。トイレに行こうって思わない。」

それだけ身体が、水分を取ろうとしているのだ。

しかし、本当に暑い。

何度水を飲んでも暑い。

こんな強い日差し、日本ではまず滅多にお目にかかれない。

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