月夜の砂漠に紅葉ひとひらⅡ【完】
「いいのです。行って下さい。」

吸い込まれそうなジャラールさんの瞳を見つめた。

「クレハ。そなたは強くなったな。」

ジャラールさんが、泣きそうな顔で私に言ってくれた。

「はい。ジャラールさんの側にいる為なら、いくらでも強くなります。」

ジャラールさんは、私の手をぎゅっと握って、すぐにその場を立ってしまった。

あれ?

てっきり抱き締めてくれるのかと思ったのに。


「ハーキム。」

「はっ!」

ハーキムさんが、ジャラールさんの足元に、膝を付いた。

「お前にクレハを託す。クレハが回復し次第、必ず夜になる前に宮殿の跡地に、クレハを連れて来い。」

「畏まりました、」

ハーキムさんが返事をすると、すぐにジャラールさんとヘサーム王子さんは駱駝に飛び乗った。

「クレハ。また後で会おう。」

「はい。」

それを期に、ヘサーム王子は援軍を宮殿の跡地へ進むように指示した。

次々と遠ざかって行く兵士たち。

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