月夜の砂漠に紅葉ひとひらⅡ【完】
そう聞く前に、私を放り投げたナディアさんは、さっさとハーキムさんの元へ走って行った。

「久しぶりだな、ハーキム。」

「相変わらずだ、ナディア。」

あの~。

お二人供、私のこと忘れてない?


「それはそうとナディア。なぜここに?」

「ああ。サマド王の国へザーヒルの反乱を知らせる途中、敵に襲われて道に迷ってしまったんだ。」

「ならば安心しろ。サマド王には既に、ザーヒルの反乱の事は耳に入っている。ヘサーム王子が援軍を率いて、ヘイダル王の国へ進んでいる途中だ。」

「よかった。」

「ついさっきまで、ジャラール様達と一緒だった。だがクレハが日射病になってしまって、休んでいたところだ。」

「クレハ?」

するとナディアさんは、興奮しながら辺りを見回し始めた。

「クレハがいるのか!どこだ!」


ええ~!

周りにはハーキムさんの他に私しかいないんですけど!

仕方ないから、手を挙げてやった。

「クレハ!」

さっき私の喉に短剣を突きつけておきながら、ナディアさんは、私を力いっぱい抱き締めた。

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