月夜の砂漠に紅葉ひとひらⅡ【完】
「クレハ!心配したんだ!」

嬉しいんだけど、あなたさっきまで、私の喉に短剣を当ててたんですけど。

「ナディアさん。苦しい……」

その一言で、ナディアさんは私から離れた。

「ナディアさん。ご無事だったんですね。心配してました。」

心にない事を言ってみる。

「クレハ!お前はいい奴だ!」

そしてまた、私を抱き締めるナディアさん。

いいんだけどさ。

ものすごく苦しい。


「ところでナディア。一つ頼みがある。」

「なんだ?ハーキム。」

「この後、クレハに付いていて欲しいのだ。」

ナディアさんは。面食らった顔をしている。

「私はジャラール様にお付きの兵隊長だ。それはジャラール様のご指示なのか?」

ハーキムさんは、ちょっと顔を歪める。

「クレハはジャラール様のお気に入りの女だ。クレハを守る事は、ジャラール様の意に添える事だ。」

「クレハが?ジャラール様の?」

< 179 / 354 >

この作品をシェア

pagetop