月夜の砂漠に紅葉ひとひらⅡ【完】
感動して、また涙が出てきそうになる。

「ねえ、紅葉。面白い話、ありがとうね。」

ときわが荷物を持つ。

「うん。って、え?もう帰るの?」

「話、終わったんでしょ?塾もあるしさ。楽しかったよ。また聞かせて。」

「あ、うん。」

ときわは、あっさりと手を振りながら、図書室を去って行った。


残されたのは、私と光清。

そう言えば、私。

修学旅行で、光清の反対を押しきってジャラールさんの元へ向かったんだっけ。

「あのさ、光清。」

「ん?」

光清は眠そうに、欠伸を一回した。

「修学旅行の時、私を心配して引き留めてくれたのに、行ってしまってごめん。」

「いいよ。話を聞いたら一応完結してたみたいだし。」

完結って。

まあ、物語は二人のハッピーエンドで終わってるけど。

「見た?あの本。」

「え?あの本、まだあるの?」

一瞬、ドキンとした。

「いや、ない。いくら探してもなかった。」

< 18 / 354 >

この作品をシェア

pagetop