月夜の砂漠に紅葉ひとひらⅡ【完】
テーブルの上に倒れこむ。

期待を持たせないでよ、光清。

「ないって事は、もう問題は解決したって事。もう、あの本と関わらなくていいって事だよ。」

私の胸がチクッと痛む。

光清の言う通りだけど、たまにはあの本を読み直して、砂漠の旅の事、思い出したかった。

で、たまに……

ジャラールさんの事、本の中だけでいいから、見たかったな。


「その砂漠の王子様はどうなったの?」

「え?王子様?ああ、ジャラールさん?」

じっと私を見る光清。

もしかして、私、疑われてる?

「いや、ジャラールさんは、ネシャートさんと結婚するって。」

「そうなの!?」

「ん?うん。」

正式に決まったかどうかなんて、分かんないけど。

王様も結婚できるようにするって言ってたし。

何より、あの二人はお互い好き同士だし。


「そっか……じゃあ、あいつが紅葉に手を出そうとしてたけれど、それはそれで終わりってことか。」

< 19 / 354 >

この作品をシェア

pagetop