月夜の砂漠に紅葉ひとひらⅡ【完】
「ジャラール様が?なぜ?」

「クレハが、宮殿の跡地の近くにあるオアシスへ、どうしても行きたいと申してな。」

ナディアさんは、私を白い目で見る。

うっ!

ハーキムさんと言い、ナディアさんと言い、ジャラールさん関連になると、なんでここまで怖くなるかな。

「私には私なりの事情があるんです!」

「どんな事情だ?」

「それは……」

「なんだ?言えないのか?そんな理由で、援軍の到着を遅らせ、わざわざジャラール様とヘサーム王子の確執を生んだ場所に、二人を向かわせたのか?」


はい。

何も言えません。


「ナディア、そこまでにしておけ。意地悪が過ぎるぞ。」

「分かった。そう言えばハーキムも、クレハの事を気に入っているのだったな。」

「そう言う事にしておけ。」

それっきり、二人はしゃべらなくなってしまった。


う~ん。

私の事で、こんな空気が重くなるのって、すごく困るんですけど。

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