月夜の砂漠に紅葉ひとひらⅡ【完】
しばらくすると、私はまた熱射病でダウン。

ハーキムさんもナディアさんも、駱駝を止め、私に日陰を作ってくれた。

水筒の水を布に掛け、私の頬に当ててくれる。

冷たい。

暑くなった体が、冷やされていく。

気が緩んだせいか、私は半分目を開けながら、ボーッとしている。


「なあ、ナディア。」

「どうした?」

「なぜヘイダル王は、ザーヒルの兵に苦戦している?」

ハーキムさんは、突然砂漠の国の事を、話し始めた。

「急だな。」

「ああ。クレハが休んでいる時ではないと、こんな話もできん。」

ああ~。

もしかして私、もう少し休んでいる振りした方がいい感じ?


「……決定的な要因は、兵士の数だ。」

「兵士の数?」

「ああ。ヘイダル王は信頼できる兵士の1/3を、ジャラール王子に、遣わされた。残った兵士の多くは、皆、ザーヒルの軍門に下った。」

「本当なのか?」

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