月夜の砂漠に紅葉ひとひらⅡ【完】
えええええええ!

これは、く、く、く、口移しってヤツ!?

「気がついたか?クレハ……」

「ハーキムさん……」

「よかった。暑すぎて気を失ったかと思った。」

するとハーキムさんは、スクっと立ち上がり、水筒を駱駝の首に掛けた。

「ナディア。早く発とう。」

「ああ。早くジャラール様のお耳に、この事を入れなくては。」

なんだか二人とも、早めにジャラールさんに会いたいみたい。

私はドキドキしながら、立ち上がった。

ハーキムさんの駱駝に乗ろうとしていると、ナディアさんが、じーっと私を見ている。

「えっ?」

「なぜか分からぬ。」

「何がですか?」

「なぜジャラール様も、ハーキムも。お前を気に入っているのだ。」

それは私の方が、聞きたいわ。


「いや、ハーキムさんは違うと思いますよ?」

「違わぬ。ハーキムも、そなたを気に入っている。」

うん。

それに関して、なんと返せばいいのか、恋愛経験の少ない私には、トンと検討がつきません。

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