月夜の砂漠に紅葉ひとひらⅡ【完】
頭の上に、グサッと何かが刺さる。

光清~‼

人の失恋をえぐり出しおって~‼


すると、光清の手が私の手を握った。

「光清?」

「俺だったら、紅葉にそんな思いはさせない。」

「えっ……」

光清の真剣な眼差しに、思わず胸の辺りがドキンッとする。

「紅葉以外の女なんて、口説かない。紅葉以外の女と付き合わない。紅葉以外の女と結婚なんかしない。」

「け、結婚!?」

高校生なのに結婚なんて言葉を出した光清に、ちょっと引く。

「だから紅葉。俺と付き合ってくれ。」

息をする事を忘れるくらい、時間が止まった気がした。

「紅葉……」

光清の呼び掛けに、我に帰る。

「あ、あの……私………」

光清を見れない。


光清は、かっこいいし優しいし、話も合うしいい奴。

でも今はまだ、心の中にジャラールさんがいる。


「今は付き合えない。」

「王子様がいるから?」

うんとも言えず、私は下を向いた。

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