月夜の砂漠に紅葉ひとひらⅡ【完】
走るに走って、ジャラールさんがいるオアシスの宮殿に着いたのは、すっかり陽も落ちてからだった。

「クレハ!ハーキム!待っていたぞ!」

わざわざ、ジャラールさんが外まで迎えに来てくれた。

「ジャラール様!」

ナディアさんが、ジャラールさんの姿を見つけて、私を押し退けて前に出た。

「おお!ナディア!そなたも来ていたのか!」

「はい!こうしてまた、ジャラール様にお会いできて、嬉しゅうございます!」

なんかナディアさん、私達と一緒にいる時と、テンション違うんですけど。

「早速なんだが、ハーキム。明日の事でヘサーム王子が、待っている。」

「畏まりました。」

ハーキムさんが、私にドサッと荷物を渡すと、刀一本でジャラールさんの近くに寄っていった。

「ナディアも一緒に来てくれ。」

「是非とも。」

今度はナディアさんが、自分の荷物を、私の腕の中に置いていく。

二人とも、私を荷物持ちだと思っていない?

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