月夜の砂漠に紅葉ひとひらⅡ【完】
そして私の視界の中に、光清の腕が入ってくる。

「光清?」

顔を上げた瞬間、私の体は光清の腕の中。

目の前には、光清のサラサラの髪が見えて、鼻を光清の甘い臭いが占領した。

「紅葉の心の中に、その王子様がいてもいい。」

「いや?それは……」

「そんな紅葉が好きだ。」


いい~!

他に好きな人がいる女を好きって、マニアなの?

実はそういう女が好きなの!?


「その王子様のこと好きでいいから、俺の側にいてくれよ。」

胸がズキッとする。

なんだか私と似ている。

私もネシャートさんが好きでいいから、ジャラールさんに側にいてほしいって、思ったことがあった。


だからこそ、光清の気持ちは大事にしなきゃ。

「ねえ、光清。側にいるだけなら友達として……」

「嫌だ。友達なんてもう嫌だ。紅葉は俺の物だって、みんなに言いたい。」

涙混じりで話す光清に、だんだん気持ちが傾く。

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