月夜の砂漠に紅葉ひとひらⅡ【完】
「はああっっ……」

ずっと盾になってくれていたジャラールさんが、後ろに倒れた。

「大丈夫ですか?ジャラールさんっ!」

慌ててジャラールさんの顔を、覗きこむ。

「ああ……大丈夫だ。」

私を見つめてくれた目。

引き込まれそうな、深い瞳。

やっぱりジャラールさんだ。


「ジャラールさん……」

ここにジャラールさんがいる事に、奇跡を感じた。

「なんでっ……ここに?」

王様やネシャートさんを、助けに行かなきゃいけないのに。

私のところになんて、来ている場合じゃないのに。

「……クレハは、俺が守ると、言ったではないか。」

「でもっ、でもっ!私よりも大事な事が……」

するとジャラールさんが、私の頬に、手を当てた。

「クレハよりも、大事な事なんて、他にはない……」

その言葉に感極まって、涙がボロボロ出てきた。

「うううっ……」

「クレハ?」

急に泣き出した私を心配して、ジャラールさんが突然起き上がった。

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