月夜の砂漠に紅葉ひとひらⅡ【完】
「ど、どうした?どこか痛むのか?」

「ううん!そうじゃなくて~」

子供みたいに泣いている私に、オロオロするジャラールさん。

「わ、私っ……ジャラールさんがっ……来てくれるなんて、思ってなくて……」

「俺がそんなに、情けない男だと思っていたのか。」

「違うっ!」

私はまだ泣きながら、ジャラールさんの腕を掴んだ。

「本当に、私のところへ来てよかったの?ネシャートさんは?王様は?他の人は?」

必死に訴えた私に、ジャラールさんは黙ったままだ。

「ジャラールさん?」

「全く……クレハは。自分の事よりも、他人の心配か。」

「えっ?」

「クレハ。君は、私の大事な人だと言う事を、知ってほしい。」

余りの言葉に、顔が赤くなる。

「他人の事を思いやる事は大事だけど、それと同じくらい、君も大切だ。」

そんな事を言われた事なんて、今までなかった。

幸せな気持ちが、体の中に広がっていく。

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