月夜の砂漠に紅葉ひとひらⅡ【完】
そして私は、ある恐ろしい事に気がついた。

「……ところで、援軍はどうなってるんですか?」

「ん?」

ポリポリと、頬を掻くジャラールさん。

「誤魔化さないで下さい!」

「待て待て!向かっている!父君の待つ宮殿に向かっている!」

叱られた少年みたいなジャラールさんを見ると、どっちが立場が上か、分からなくなる。

「それで?ハーキムさんやナディアさんは、ジャラールさんがここにいる事を、知ってるんですか!?」

「……追いかけて来ないところを見ると、知らないのではないか?」

私の体が、横に倒れそうになる。

「もう~ジャラールさ~ん。」

「どうした?」

「王様やネシャートさんを助ける大事な援軍なのに、こっち来ちゃダメですよ。」

「大丈夫だろう。身代わりを置いて来たし。」

私はガバッと、起き上がった。

「身代わり?ジャラールさんにそっくりな人がいるって事?」

待って。

そんな人いるなんて。

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