月夜の砂漠に紅葉ひとひらⅡ【完】
「ペンダントはその名前の通り、いつもは鮮やかな緑色に光っているんです。でもここ最近、その色が鈍っていて……」

「クレハ。そのペンダント、今見せて貰えるか?」

私は首にかけておいた緑のペンダント外して、ジャラールさんに渡した。

「本当だ。以前、クレハに見せてもらった時は、もっと明るい色をしていた。」

ジャラールさんから、ペンダントを受け取る。

やっぱりまだ、鈍い緑色のままだ。

「このペンダントの力の源は、オアシスの精霊だと思うんです。だから、精霊に何かあったのではないかと……」

「そういう事だったのか。」

ジャラールさんは歩きながら、何か考え事をしているようだった。

「ジャラールさん?」

「すまない。俺はそのオアシスを守ってきた一族の血を引いていると言うのに、何も分からないんだ。」

そう。

ジャラールさんのお母さんは、昨日の夜泊まった宮殿の跡地に栄えていた一族の人だった。

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