月夜の砂漠に紅葉ひとひらⅡ【完】
「クレハがこの国へ来れなくなったら、俺と会えなくなるという事ではないか。」

「あっ、それは……そうだけど……」

「クレハは、俺に会えなくなっても、いいと言うのか?」

「それは嫌!」

思わず言ってしまった言葉に、ジャラールさんはニヤッとする。

「ならば、クレハがこの国へ来れなくなるのは、クレハ一人の問題ではなく、俺達二人の問題であろう?」

「ジャラールさんっ!」

自然にジャラールさんと、手が重なる。

ああ、嬉しいよ~。

この人を好きになって、本当によかった。

どうしよう。

私、幸せだ~~!!


「クレハ、見てごらん。そうこうしているうちに、碧のオアシスが近づいてきたぞ。」

「えっ?どこにですか?」

「目の前の丘を越えたところだ。」

私とジャラールさんは、目を合わせると、それを合図に走り出した。

場所を教えられた時には、地平線にあったあの小高い丘。

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