月夜の砂漠に紅葉ひとひらⅡ【完】
その小高い丘を、一気に駆け上がる。

そして、一番高い場所に着いて、大きく深呼吸をした。

「クレハ。ほら。」

ジャラールさんに指を指した場所には、あの碧のオアシスがあった。

「やっと……見えた。」

「ああ。」

やっと、このペンダントの謎が解ける。


そう思った時だ。

「ジャラール様!」

後ろから駱駝に乗った一人の男性が、こっちに向かって来た。

「……ハーキム。」

「げっ!」

思わず嫌な顔をしてしまった。

今のジャラールさんに、見られてないかな。


ハーキムさんは駱駝に乗って、ものすごいスピードで走ってきているせいか、あっという間に私達の元へ、たどり着いた。

「やはりここでしたか。ジャラール様。」

「ああ。ハーキムには、敵わないな。」

「当たり前です!ナディアの目は誤魔化せても、私の目は、誤魔化せません!」

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