月夜の砂漠に紅葉ひとひらⅡ【完】
『だったら、俺にしておくか?俺だったら、身分の差で苦しむ事もない。どこに行くにも、俺が一緒の駱駝に乗って、お前を連れていってやる。』

余計な一言……か。

「それと、勝手にいなくならないでほしい。」

「あっ、それは……」

「ジャラール様が寂しがる。仕事に支障を来す。俺が困る。」

「はあ?」

巡りめぐって、俺を困らせるなってか?

するとジャラールさんが、またニヤニヤしだした。

「クレハがいなくなって寂しいのは、俺だけか?ハーキムとて、クレハがいなくなれば寂しくて、仕事に手が付かぬではないか。」

「えっ?」

ハーキムさんを見ると、本当に困った顔をしている。

「ジャラール様~」

「まあいい。想うのは勝手だからな。だが、クレハに手は出すなよ。」

私とハーキムさんで、顔が真っ赤になる。

なんでそんな人を困らせるような事、平気でペラペラ言うかな、ジャラールさんは。

< 241 / 354 >

この作品をシェア

pagetop