月夜の砂漠に紅葉ひとひらⅡ【完】
「そう言えば、なぜお二人とも、歩いていらっしゃるのですか?駱駝は?」

「ああ、砂嵐に持っていかれた。」

「砂嵐に!?」

ハーキムさん、すっごい驚いている。

「駱駝を座らせなかったのですか?」

「クレハを守っていたら、それどころではなくなっていた。」

そしてハーキムさんに、睨まれる私。

ええ。

この話の流れだと、私のせいみたいですね。

「今ごろ、あちらを歩いているだろう。」

ジャラールさんは、遥か右手の邦楽を、指差した。

「まさか……あの動いている駱駝……」

「ああ、そうだ。」

私は驚いて、ジャラールさんが指差している方向を見た。

見えないよ。

見えないよ、動いてる駱駝なんて。

ハーキムさんも、恐ろしく目がいいの?


「全く。どうやって帰るおつもりだったんですか?帰りも歩くつもりだったんですか!?」

それは勘弁してほしい。

「私があの駱駝を連れて来ますから。先に碧のオアシスへ行ってて下さい。」

< 242 / 354 >

この作品をシェア

pagetop