月夜の砂漠に紅葉ひとひらⅡ【完】
私は激しく首を振った。

私はどうなるんですか?

私はあなた無しでは、この国に来る事ができない!

誰があなたを必要ないと言っても、私だけはあなたを必要としている!

たくさん吐かれた泡の中で、私は必死に精霊に訴えた。

『では、私がいなくても、あなたがあの若者と会えるようにしましょう。』

えっ?

また私の口から泡が出ては、上に昇っていった。

『それで、問題は解決するはず。』

私は悲しくて悲しくて、顔を両手で覆いながら、涙を流した。

『クレハ?』

あなたがいなくなれば、このオアシスはどうなるんですか?

このオアシスが無くなれば、ここで命を繋ぎ止めてきた旅人達はどうなるんですか?

砂漠の中で、オアシスが一つ消えると言う事は、命を繋ぎ止める方法が、一つ無くなると言う事です。

あなたは、自分がどれ程大切な存在なのか、ご自分で分かっていらっしゃらない。

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