月夜の砂漠に紅葉ひとひらⅡ【完】
「ううん。大袈裟じゃないよ!」

背中がブルッと震える。

「だとしても、俺が紅葉を守るよ。」

キュンとする台詞。

ああ、それが本当であってほしい。


「さあ、どうぞ。お姫様。」

図書室のドアが開いて、光清に手を引かれた。

「心配なさらずに。この私が付いております。」

光清は、廊下に方膝を着くと、握った私の手の甲にチュッと口づけた。

「光清?」

その様子がお姫様を守る騎士。

いや、隣の国の王子様に見えて、勝手にドキドキする。


「やっとキスできた。」

「手に?」

「手だって、キスはキス。紅葉の肌に……触れられた。」

優しそうに笑顔を湛える光清。

立ち上がってそのまま、二人で手を繋ぎながら、昇降口まで歩く。

「本当に、何かあったらすぐ言ってね。紅葉。」

「うん。」

返事をしながら、窓の外を見た。

ドキドキしている。

こんなかっこいい人と、手を繋いでいる事に。

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