月夜の砂漠に紅葉ひとひらⅡ【完】
「はははっ!紅葉、面食らった顔してる。」

そう言った光清も、挙動不審だ。

「不思議だね。」

光清の手の温もりを感じる。

「さっきまで友達だったのに。」

すると光清は、私の手をぎゅっと握った。

「紅葉はそうでも、俺は違うよ。」

握った手を見つめる。

「少なくても俺は、1年生から紅葉が好きだった。」


いいっ!

1年生の時から!?


余計に体が引く。

なんでなんだろう。

自分が友達だと思っていたのに、光清は違ったから?


「俺たち、特別な関係だって思っていいんだよね。」

私は小さく頷いた。


ジャラールさんの事は好き。

でも現実は違う。

ジャラールさんとは、全く別な世界にいて。

もう会えない。


だったら、自分を好きだと言ってくれる人がいるなら、その気持ちに応えようと思う。

「ああ、よかった。」

光清は遠くを見た後に、私をじっと見た。

「これで紅葉は、俺のモノなんだね。」

私はニコッと笑った。

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