月夜の砂漠に紅葉ひとひらⅡ【完】
「ううん。このペンダントが無くても、砂漠の国へ来れるようにしましょうって、精霊に言われた。」

ジャラールさんもハーキムさんも、眉一つ動かさない。

「クレハの事だから、『そんな事はしなくてもいい!』とでも、言ったんだろう?」

「ううっ……そんな事は言ってない。」

じーっと、私を見続ける二人。

「それに近い事は、言ったような言わないような。」

ハーキムさんが、ため息をつきながら、頭を振った。

「自由に行き来できるようにしてやると、仰って頂いたのだったら、そのまま素直に受けとればいいものを。」

「まあ。それが出来ぬのが、クレハの良いところだ。」

「それもそうですね。」


あれ?

もしかして、私。

まずい事をした?

だって、自分だけ砂漠の国へ来れればいいって、おかしくない?

身勝手過ぎない?


「さあ。明日も早いから、もう寝よう。」

ジャラールさんは、荷物の中から、大きな布を出した。

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