月夜の砂漠に紅葉ひとひらⅡ【完】
「クレハ。隣においで。」

ジャラールさんが、私を手招きする。

「えっ……あははは。」

ハーキムさんが見てるよ、ハーキムさんが。

「私に遠慮するな。布は一枚しかないんだ。風邪でもひいたらどうする?それこそジャラー……」

「……ル様に、迷惑がかかるでしょ?」

私はハーキムさんに、嫌みっぽく言って、ジャラールさんの隣で、体を横にした。

「一杯食わされたな、ハーキム。」

続いて私の横で、ジャラールさんが寝そべる。

「今のうちだけですよ。」

ハーキムさんは、いつもの夜みたいに、私達の頭にある木の根っこに、座りながら寄り掛かる。

怪しい人が来たら、すぐ起こせるようにだ。

「おやすみなさい、ハーキムさん。」

「先に休む、ハーキム。」

「お休みなさいませ。」

ジャラールさんの腕枕の元、私にはドキドキしながら、目を瞑る。

ああ。

寝る時も、ハーキムさんの側だなんて。

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