月夜の砂漠に紅葉ひとひらⅡ【完】
「では答えぬ!」

そう言って、そっぽを向くナーデルさん。

さっきはジャラールさんと同年代って思ったけれど、日焼けのせいでそう見えるだけで、本当は私と同年代?

「じゃあ、もういいです。」

私は薪に小枝を入れて、頭に被っていたショールを畳み、地面に置いた。

「何をしている。」

「寝るんです。明日も早いんで。」

地面に置いたショールに、頭を置く。

するとナーデルさんが、ふいに立ち上がって、薄い布を持ちながら、近づいてくる。

「……ナーデルさん?」

しまった。

この人、言動は幼稚でも、れっきとした男だった。


いやぁぁ!

初めてはジャラールさんとしたかったよぉぉぉ!

心の中で叫んで、体を丸めた時だ。

私の体に、その薄い布が掛けられた。

「ナーデルさん?」

「女が直に地面に寝るのは辛かろう。もう一枚、布を貸す。」

そしてナーデルさんは、自分の荷物からもう一枚、布を持ってきて、地面に敷いてくれた。

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