月夜の砂漠に紅葉ひとひらⅡ【完】
「クレハ!」

前から駱駝に乗った、ナディアさんがこっちへ来る。

「ナディアさん!」

私の前に止まったナディアさんは、手を伸ばして私を後ろに乗せてくれた。

「クレハ!行くな!」

崖の上から、ナーデルさんが叫ぶ。

「あれは?」

「無視して!」

駱駝の脇を足で叩く。

「おっと!」

私達を乗せた駱駝は、宮殿に向かって走り出した。

「いつの間に駱駝の扱いを覚えたんだ。」

「これでも結構な回数、駱駝に乗ってますって。」

早く、ナーデルさんが来ない内に、宮殿に着いて、ジャラールさんに知らせなきゃ!

「ナディアさん。ジャラールさんは?」

「援軍に加わった。今から宮殿に入る。」

ナディアさんの言葉の後、森の方から、ワアアアと言う声がした。

「進入開始だ。これでザーヒルの軍は、壊滅だ。」


その時、ナーデルさんの言葉を、思い出した。

『我の望みか?この国が、滅びさえすればいい。』

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