月夜の砂漠に紅葉ひとひらⅡ【完】
「ナディアさん。」

「どうした?」

「この反乱、ザーヒルの裏切りだけではないと思うの。」

「……裏があると言うのか?」

「そう。さっき、私の名前を叫んでいた人がいたでしょう?」

「ああ。」

「ナーデルさんって言うの。あの人、この国が滅びればいいって、そう言ったわ。」

「なに?」

するとナディアさんは、走りながら何かを呟き始めた。

「待てよ。ナーデル……ナーデル……どこかで聞いた名前だ。」

「えっ?」

そんな事を話している間に、私達は宮殿へとたどり着いた。

すぐ側で、ザーヒルの軍と援軍が戦っている。

だが、援軍の方が人数が多いせいか、すぐに援軍は宮殿の中へと入って行った。


「ジャラール王子!」

ナディアさんが、私の腕を掴む。

振り返った、その人は……

「クレハ?」

「ジャラールさん!」


私とジャラールさんは、ここが戦場だと言う事も忘れ、きつく抱き締めあった。

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