月夜の砂漠に紅葉ひとひらⅡ【完】
「国を滅ぼす?」

あまりの事に、皆が絶句する。

しばらく走る事も、話す事もなく、皆同じ場所で、立ち止まっていた。

「……それは、本当の事なのか?」

ハーキムさんが、静寂を打ち破った。

「本人がそう言ってた。」

「その本人の言う事を、真に受けていいのか?我々を騙す為の作戦なのではないのか?」

ハーキムさんにそう言われ、愕然とする。


なんで、私はナーデルさんの言う事を、そのまま信じたんだろう。

大体、人質で捕まえた私に、そんな内々の事なんて、話すなんて、普通に考えたらあり得ない。

「クレハ。どうなんだ?」

悔しいけれど、ハーキムさんの言う通りだ。

「作戦だったかも……しれない。」

私の一言で、皆がほっとしたのが見えた。

「すみません。」

「いや、敵に捕まるなんて、通常の心理状態ではいられない。見る事聞く事全て真実だと思えてしまうのは、仕方のない事だ。」

ジャラールさんが、優しくフォローしてくれる。

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