月夜の砂漠に紅葉ひとひらⅡ【完】
「ところで、そのナーデルと言う者は、他になにか言っていなかったか?」

「ええーっと……」

そして私は、ナーデルさんの言葉を、思い出した。

「そう言えば、ナーデルさん。自分は王子として育てられたって。」

「はあ?王子?」

「何でも、ナーデルさんのお母さん、王子様と恋人同士だったって。でも、子供ができたと知って、会いに来てくれなくなったとか。」

「では、もしかして……ジャラール様とネシャート様の腹違いの弟君?」

ハーキムさんは、ハッとして口を覆った。

「もし、そうだとすれば、父君の血を受け継いだ、正当な跡継ぎだ。」

それでハーキムさんは、うつ向いてしまった。


それは、ショックだよね。

王様と血が繋がっている王子が、出てきてしまったら。


「ナーデル……そうか。それで聞いた事があるのか。」

ナディアさんは、顎に手を当てて、話を進めた。

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